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2005.10.19

政争の道具となってしまった靖国神社

まぁ別に今はじまったわけじゃないけどさ。

大阪高裁の「違憲判断」を考慮してどこからどうみても「私的参拝」の体裁。私的参拝なんだから、二礼二拍手一礼の手順を踏めばいいのに、一礼だけ。とにかく「違憲判決」はもちろん「違憲判断」すらさせないという首相の意思は伝わってきた。首相としては、参拝の前例を自分の代で作っておいて、後の代で大手を振って(公式)参拝できるようにとの、先鞭になったつもりなのかもしれない。しかしこれが当の将来の宰相に「小泉さんと同じようにやれば少なくとも国内批判はかわせる」という知恵をつけたかも知れず、個人的には「なんだかな」という感じだ。

ただしここまで公的要素を省いた参拝に、一国民があれこれ文句をつけるのは野暮ってもんだ。「日本人の代表なんだから、パンは食うな、米を食え」と怒っても仕方あるまい。

中共と韓国は日本国憲法違反か否かなんてことは関係ないから、そりゃあ反発するだろう。ただ、首相が靖国神社に参拝したことを口実にミサイルを発射することもできまい。せいぜい経済関係を見直すくらいだ。実害らしい実害といえば、少々物価が高くなることくらいだ。深刻なインフレは困るが、日本のメーカーが製造拠点を中国から東南アジアに移すだけだ。100円ショップが相当数潰れるだろうし、中国特需企業の株価が下がるが、それは遅かれ早かれそうなるのは必定なんだから、立ち直れないほどのダメージを被ることはあるまい。

国家レベルで靖国参拝に反対しているのは特定アジア三国だけなんだから、外交的には「少々の経済ダメージ」という程度。そして「私的参拝」を強調することで、内政的にも一件落着のはず。ところがそうはうまくいかないのが日本の面白いところだ。

「少々の経済ダメージ」を許せないという人がいる。まぁそりゃそうだ。中国や韓国相手に貿易している人たちは、「英霊は首相に参拝してもらえたが、首をくくらざるを得なくなる俺たちの霊にも首相は参拝するのか?」ってことだな。よくわかる。

わからないのは、中共や韓国の立場を代弁する政治家たち。いや、代弁するくらいならまだいい。だけど嘘を言っちゃいかんだろ、嘘は。

テレビのニュースで見た限りなのでソースを提示できないのだが、大阪高裁の「違憲判断」を「違憲判決」と明言していたのが民主党の前原代表と社民党の又市幹事長。全国紙レベルでは「違憲判断」で統一されているので、この二名の発言にはもの凄い違和感。前原代表にいたっては、どうも福岡地裁は「違憲判断」で大阪高裁では「違憲判決」と解釈しているらしく、「はじめて大阪で違憲判決が出たにもかかわらず」なんてコメントしていた。彼の祖父は裁判官だったらしいが、「判決」とはどういうものかお祖父さんにレクチャーを受けた方がいい。

同じ民主党の鳩山幹事長は前原代表に輪をかけて酷かった。「靖国神社は戦争を賛美する国立施設ということが本質」みたいなことを語っていた。

鳩山幹事長にダウト!

靖国神社(東京招魂社)の本質とは、軍人に対し「貴様らが陛下のために戦い、命を落としたとしても、この社で貴様らの御霊を陛下ご自身が鎮めてくださるぞ」ということ。「貴様らは悪霊・怨霊の類にはならない。だから安心して勇敢に戦ってこい」という動機づけ。決して「戦争万歳」なんて施設じゃないよ。

「戦争を肯定する施設」とか「君主制を肯定する施設」とかの批判ならまだ理解できる(肯定はしないが)けど、「戦争を賛美する施設」って何だよ。そもそもどこの世界に、戦争を賛美する国があるんだよ。ブッシュだって「悪の枢軸国は戦争を賛美している」なんて思っちゃいないよ(笑)。

彼らに比べると、共産党の志井委員長はまとも。その志井委員長にしても「議席を伸ばしたから驕っている」なんて語っていたし。

結局、与党いじめの道具として、靖国参拝は弄ばれちゃっている。法治国家である以上、法を改めるか、法解釈で乗り切るしかないわけだけど、その法解釈の議論すら今となってはほとんど触れられていない。ましてや「お国のために戦った軍属を宰相が慰霊に訪れるべきか否か」という根本の部分には誰も触れていない。

小泉首相の靖国神社参拝に対する最大の功績は、国民の関心を集めたことかもしれない。問題になっていることすら知らなかった人たちに関心を持たせ、いろいろ調べさせる。その結果が自分の好む方に向かおうと、好まざる方に向かおうと、それは一人ひとりの判断なのだから尊重すべき。なんかそういうメッセージを発信しているのではないか? そういう策士的なにおいのする昨今の小泉首相だ。

で、もしその「小泉=策士」論が正しければ、第三次内閣の外相が首相の考える次期総裁第一候補ということなんだろう。自らがこじらせた中韓との間を、向こうに媚びることなく修復できれば誰も文句ないでしょ。逆に言えば、首相が潰そうとしている人材を故意に外相に据えるという方法もあるかな? いずれにしても、外相ポストが超有力候補ってわけですな。

ん~、小泉首相も靖国神社参拝を政争の道具にしているなぁ。どうにかならんもんかね、わが国の政治家どもは…

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2005.10.14

北鮮系病院の関係先捜索

北朝鮮系病院の関係先捜索=医薬品無許可販売の疑い-日本人拉致証言も・警視庁

北朝鮮と関係が深い西新井病院(東京都足立区)の関係会社が、無許可で医薬品を販売したなどとして、警視庁公安部は14日、薬事法違反容疑で、この会社や病院内にある財団法人「金萬有科学振興会」など関係先計11カ所を一斉に家宅捜索した。関係会社の幹部2人を取り調べ、容疑が固まり次第逮捕する方針。
西新井病院は在日朝鮮人の金萬有氏が院長を務め、北朝鮮政府と共同して平壌に姉妹病院を設立するなど、同国と密接な関係にあるとされる。内部関係者とみられる男性が、1976年に失踪(しっそう)した埼玉県川口市の藤田進さん=当時(19)=について「病院の関連施設に監禁した」と周辺に証言しており、公安当局も関心を寄せているもようだ。また、関係会社幹部の2人は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の「在日本朝鮮人科学技術協会(科協)」の副会長を務めており、公安部は東京都文京区の科協も捜索。科協は警視庁が過去に摘発した精密機器の不正輸出事件などに関係したことも明らかになっている。 
(時事通信) - 10月14日13時1分更新

特定失踪者(つまり認定拉致被害者ではない)の藤田進さんに言及しているのは、今のところこの時事通信の記事だけ。他は拉致自体に触れず。さすがに朝日は文京区の総連長屋のビルにも家宅捜索されたことにも触れていない(19時現在)。これぞ朝日クオリティ。

たかが薬事法違反の疑いで公安部が動くというのは穏やかな話じゃないね。これが拉致に関する一件を捜査したいがための別件捜査であればいいのだが。もちろん、北鮮への資金供給源の一つを絶つという方針でもOK。でももしかしたら「単純に総連関係施設を捜査するには、公安部が動かないとダメ」という警察の方針なのかな? まぁ何にせよ、現場では総連関係者のシュプレヒコールもあったようで、不謹慎ではあるが、なかなか楽しい。総連と仲のいい石毛前衆院議員も今回の総選挙でめでたく落選したし、以降、官憲と総連のやり取りを楽しませてもらうことにしよう。

そしてもちろん、これを機に特定失踪者が拉致被害者に認定され、また彼らが帰国することを願ってやみません。

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ナベツネ氏TBS・楽天問題を語る

野球協約抵触を指摘 楽天問題で巨人・渡辺会長

プロ野球巨人の渡辺恒雄(わたなべ・つねお)球団会長は13日、東京都内で取材に応じ、ともに球団を持つ楽天がTBSの筆頭株主となったことについて「1つの法人が2つの球団を保持することは厳禁されている」と述べ、他球団の株式保有を禁じる野球協約第183条に抵触するとの見解を示した。

また、同会長は「それは三木谷君にも言ってあるから、彼はよく知ってるはずだ」と、この問題で楽天の三木谷浩史(みきたに・ひろし)社長と事前に接触したことを示唆。「(11月4日の)オーナー会議の最大の議題。根来コミッショナーが考えているよ」と語った。

巨人の滝鼻卓雄(たきはな・たくお)オーナーも「一般論で言えば抵触する。(三木谷オーナーは)2球団を持つなんて考えてないと思う」と語った。

フジサンケイグループがヤクルトと横浜の球団株を所有する問題に触れ「1つの企業グループが、仮に2つの球団を実効支配しないにしても、両方の株式を持つのは野球協約に抵触すると僕は思う。どっちか手放すべき。プロスポーツの在り方として間違っている」との考えを述べた。(共同)
(10/14 00:11)

球団会長としてはごく普通の発言ですな。さすがに一球団オーナーに対して露骨な不快感は示さないか。あとは野球協約の解釈しだいということになるのかな?

楽天としては「実効支配していないから、株は持っていてもいいじゃないか」という解釈で乗り切りたいところだろう。オーナー会議で「ダメ」ということになれば、TBS株を放出するか、球団を放出するか、か。後者は株所有以上に「ダメ」ってことになるだろうから、前者か。だったら「放出するのはいいが、TBSさんが買ってよ」という話にもっていきたいところだよな。そんなことオーナーたちもTBSも認めないだろうけどね。

どの辺で話を落とすのか見ものだな。

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上場会社の危機管理って…

各局の夜のニュースを見て驚いた。TBSの株主構成が、上位から国内外の投資会社がずらり。いくら第三者割当増資という対抗策を事前に講じていたからといって、こんな株主構成じゃあまり意味はないんじゃないの? 素人考えだけどさ。

日テレ系「今日の出来事」では「これまでの買収で資金がショートしつつある楽天・三木谷社長にとって、一世一代のギャンブルに出た」という専門家の言葉を紹介していた。確かに筆頭株主とはいえ、保有率15%超で持ち株会社設立を持ちかけるというのは拙速すぎるんじゃないかとも考えられるなぁ… こんなものなのかなぁ?

バブル経済崩壊以降、あまり不動産に見向きをしなくなったものだが、村上ファンドといい楽天といいマネーゲームに長けた会社はやっぱり目の付け所が違うのかな? 阪神電鉄もTBSも所有不動産を過小評価して株価に手をつけなかったのか、正当に評価していたけど経営陣がバカだから株価に手をつけなかったのか… どうにも理解しがたい。村上ファンドは株ころがしが目的だから阪神電鉄はアレだけど、TBSは楽天と手を組むか経営陣を一新したほうがいいんじゃないの? 今の経営陣の出自は知らないけど、少なくとも株価にも目を光らせることができる経営のプロを外部から役員に招聘したほうがいい。真面目に会社に投資してもらっている、少数の株主のためにもさ。

それにしても三木谷氏の会見をスタジオで見ていた村上氏の言葉「楽天が買って株価がこれだけ上がったんだから、一番喜んでいるのは(TBSの)井上社長じゃないですか?」には笑った。確かにそうかも。

で、よく見かける批判が「こんなカネにモノを言わせるようなやり方…」ってやつ。確かに日本的ではないから、私も「いくら日本は資本主義だからといって…」という気持ちは半分くらいはある。しかし北鮮による拉致など外交問題であまりにも日本的な話し合い体質に「そんな日本的なやり方じゃ国際社会でやっていられない」という気持ちもあるわけでね。「経済は日本的に、政治は国際標準で」というのはあまりに虫がよすぎるというか、自己矛盾をはらんでいるわけで。経済だって今や外資との闘いだからね。そんなわけで、私は「日常生活では日本人の心を失わずに。そして仕事では世界標準で」という方針です。そして「顧客が日常生活における日本人の場合、仕事は国際標準とはいえ、日本人の心を無視してはいけない」とまぁ、こういうスタンスでいこうかな、と。

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2005.10.13

TBSに買収のススメ

阪神電鉄の次はTBSか… ゴールデンイーグルスの親会社である楽天が、ベイスターズの親会社であるTBSの大株主になることは野球協約上、問題ないのかな? ナベツネ氏の発言に注目だ!

首都圏在住の私にとって、阪神電鉄の所有している土地といわれても「そりゃあ鉄道会社なんだから、広大な土地を持っているんだろうけど…」とピンとこなかったが、TBSなら職場から近く昼食に赤坂まで赴くこともあるから「景気も上向きだし、赤坂地区のあの土地なら、使いようによっては宝の山だよな」とピンとくる。そう考えると、確かに2千円を切っていた今年はじめの水準では、あの土地の資産価値からするとお買い得だったのかもね。

ライブドアの場合、本丸のフジテレビを落とすために所有株式上親会社だったニッポン放送株に狙いをつけたわけだけど、回り道をするくせに堀江氏がラジオのことをあまり理解していなかったような発言が相次ぎ、思わぬバッシングを受けてしまった。今回の楽天はTBS狙い撃ちだからいきなり矢面に立つわけだけど、まだまだ所有率が低いからか、まったくバッシングはないなぁ。あるいはこれも宗教パワーなのかな(^^;?

以下妄想。楽天がTBSの経営権を取得し、三木谷氏の影響力が強くなった場合、筑紫哲也はどうするのだろう? 彼がマルキストなら「こんな宗教くさい会社でキャスターなんかできるかっ!」と飛び出るだろうが、そのままキャスターを続けた場合は単なる空想的平和主義者であったな、と。そういう意味で、三木谷TBSをみたい気はするのだが(笑)。

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2005.10.12

買い占められるほど放置していた企業がアホ

時間外取引などではなく、きわめてオープンに買い占められた阪神電鉄の経営陣がこと自社株の動向に関してはアホだったことは明らかだが、利益を出してなんぼのファンド会社のトップが中長期的な株の保有を明言するというのはいかにも怪しい。いろいろ憶測が飛ぶのもしょうがないというものだ。

「村上ファンドの裏に外資の存在?」
「村上ファンドに買占めを依頼した出資者は誰?」

あたりは野球関係者は気になるところだろう。こういう疑問は当然だ。が、いまだに以下のようなことをいう人がいる。

「球団はファンのもの」

ダウト。正しくは「球団はファンあってのもの」。社会公共性があるなんてのは、野球ファンや関係者の方便でしかない。例えばバファローズとブルーウェーブが合併しようというときに、国や地方自治体が「球団は公益性があるから、税金注入してバファローズを市民球団として存続させる」なんて話になったとしたら、誰がそれに賛成するというのか。球団も株式会社である以上は利潤を求めなければいけない。それがファンサービスの向上にもなる。「ファンがいないと球団は成り立たない」のは事実だが、だからといって「球団はファンのもの」というのは飛躍しすぎだよ(笑)。ファンの思い上がりってもんだ。

「マネーゲームにタイガースを巻き込むな」

「株式公開=マネーゲーム」という短絡思考はお見事(笑)。このように批判している人も銀行口座の一つや二つは持っているだろうが、その銀行も預金を元手に「運用」という名のマネーゲームをしているんだよ。それくらい知ってるよね? もしかしたら取引銀行の運用担当者もタイガースの上場を願っているかもしれないが、そんなときは取引中止する(まぁ普通に考えて、旨みの少ない株になるだろうから上場を願っている運用担当者はいないだろうが)?

ただ司法出身の根来コミッショナーが上場には慎重の姿勢だから、実際には上場はできないだろうね。何よりタイガースファンが「タイガースは阪神電鉄が所有していればいい」の姿勢だから。強引にネゴして上場となっても、ファンが離れていっては、電鉄の株価も下がろうというもの。「球団はファンあってのもの」ということくらい村上氏も当然知っているわけでね。

大方の予想通り、村上ファンド側にとっては「タイガース上場」というのは隠れ蓑で、本命は「株の高額買取」か「梅田地区の再開発」なのかな? でも前者は「中長期的な保有」の舌の根も乾かぬうちにってことになるし、とすると後者かぁ… じゃあ、再開発で儲けそうな企業が今回の出資者? う~む…

まぁ備忘録ってことで(^^;。

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2005.10.11

それでいいのか?>野田聖子

郵政法案に賛成、野田聖子議員が会見で表明

野田聖子・元郵政相は9日、岐阜市で記者会見し、通常国会で反対票を投じた郵政民営化関連法案について、今国会では賛成する考えを表明した。

野田氏はまず、用意した原稿を読み上げ、「衆院選の結果、郵政民営化の実現を唯一の争点とした自民党候補が大量当選を果たした。法案が完璧でなくても、民営化のスピードを上げろという国民の声と理解した」と方針転換の理由を説明した。さらに、「法案反対という自らの政治的主張は完敗したことを認めたい」と神妙な表情で語った。

野田氏は先の衆院選で自民党の公認を得られず、無所属で出馬して当選した。これに関連し、自民党離党の可能性を聞かれた野田氏は、「今、自民党員であり、党紀委員会を静かに見守りたい」と述べ、処分は受け入れるが、自ら党を離れる考えはないことを強調した。ただ、支部長を務めていた衆院選挙区支部の解散については、「やむを得ないことだ」と語った。

一方で、野田氏は「(通常国会での反対を)後悔はしていない。真剣に勉強した結果の、正直な行動だったと今でも信じている」と言明し、「法案は完璧でなく、(民営化までの)10年の移行期の間に、よりよいものを目指して力を尽くしたい」と述べた。
(2005年10月9日20時55分 読売新聞)

「法案が完璧でなくても、民営化のスピードを上げろという国民の声と理解した」という意見は賛成だ。そもそも私がそういう考えだから(笑)。これが前回反対した自民党参議院議員からこの言葉が出ていれば、深く頷いただけですんだろう。ところが野田氏は「郵政民営化法案反対」を掲げて選挙戦を闘い、そして勝利した。もちろん古くからの「オラが村の聖子ちゃんを国会に送るのが私たちの仕事。あとは聖子ちゃんが自由に働けばいい」という白紙委任状を託すという有権者も多くいただろうし、その意味では今回の変心(?)は彼らを裏切ったことにはならない。ところが、岐阜の郵便局関係者が「野田は落とすな」という大号令をかけられたという話はテレビでも週刊誌でもスポーツ紙でも報じられたところであり、そういった有権者にはどう説明をつけるつもりなのだろうか?

私は「議会制民主主義における選挙とは、どの候補に白紙委任状を託すか」という考えだから、変心はある意味しょうがないと思っている。だが世の中、私みたいに割り切っている人なんて少数派だろう。民主党なんて選挙期間中「郵政以外は白紙委任なのか?」と自民党を批判していたから、私みたいな考えではないはずだ。「野田さんは法案に反対してくれる。そう主張されている。野田さんを当選させよう!」と投票した有権者の立場は? 同じ立場の平沼氏は与党案にそして民主党案にも反対票を投ずるようだ。「どうせ」と書いては失礼だが、法案が通過するのは確実なんだから、反対票を投じて有権者に義理を通すことも、将来を見越すと大事なんじゃないのかな、なんて思うわけだ。一般有権者からしてみると、平沼氏の方がウケはいいと思う。

昨日の「TVタックル」で誰だったかが語っていたけど、無所属のいわゆる造反議員は法案に賛成したところで、反対した参議院議員とのバランスをとるために「反対したことによる処分」は軽くすむが、「党公認候補に敵対して立候補したことによる処分」で除名になる可能性が高いそうな。野田氏が頑張ってみたところで、重い処分が下されそうだ。これを「非情」とするか「当然」とするかは意見が分かれるところではあるけれど、たとえ世論が「非情」と断じても、野田氏の求心力が落ちちゃったことは否めまい。

野田氏を可愛がっていた野中や古賀が復権の兆しがあればアレだけど、とりあえずは首相の任期中は潜伏期間ってことになるんだろうな。

ただ、自民党という政権の中枢に居残りたい一心で行動する、そのバイタリティは佐藤ゆかり氏よりもよっぽど政治家向きだとは思う。まぁ頑張れよ、と(笑)。

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2005.10.07

何でも謝罪すればいいというものでは…

見舞いの男性に誤って点滴 福井の赤十字病院(産経)

福井赤十字病院(福井市)で8月、入院中の男性患者(28)の見舞いに訪れた知人の男性に、女性看護師が誤って点滴を打つミスがあったことが、6日分かった。

同病院によると、8月3日、看護師が男性患者の個室に入り、患者の名前を確認したところ、ベッドに寝ていた知人男性が「はい、お願いします」などと答えたため、信じて点滴を打ったという。当時、男性患者は病室にいなかった。

点滴の直後に看護師が病室に戻ったところ、患者本人がいたためミスが判明し、すぐに点滴を止めた。健康に影響はなかった。

看護師らは知人男性に謝罪。知人男性は女性と2人で男性患者の見舞いに来ていた。

同病院の入院患者は、名前が記入されたリストバンドを付けているが、知人男性は手首を見せたがらなかったため、看護師はそれ以上確認しなかったという。

副院長は「リストバンドの確認を怠り申し訳ない。職員の教育を徹底したい」と謝罪した。(共同)

(10/07 00:27)

文面だけ読むと、この知人男性が患者のベッドに一人で寝ていたわけでしょ? で、看護士が名前を呼んだら「はい、お願いします」と。こりゃもう、悪意をもって騙したわけだから、本来ならこの知人男性に謝罪する必要はないでしょ。

もちろん、こういう取り違え事故を防ぐために病院の内規で「リストバンドで本人確認を行う」と義務付けたのだろうから、患者(?)が拒否したからといって口頭確認だけで点滴してしまった看護士に何らかの処分は下されるのだろう。しかしそれはあくまでも病院内の問題であって、看護士を騙した知人男性に謝罪する必要はないと思うが。

記事にはないが、病院側が謝罪だけではなく金銭などを渡していたのなら、患者・知人男性・知人女性の3人が共謀した「当たり屋(刺され屋?)」事件なのでは?

そうではなく、間違われた知人男性も「いや、僕の方こそ悪かった」ということであれば、患者と知人女性がやってはいけないこと(病室を出るとか、無断外出とか、ここでは書けないこととかw)をしたいから、その間の身代わりとして知人男性を呼んだ、ということかな? とすれば、妙に親近感が沸くが(笑)。

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2005.10.06

経済制裁

「対北制裁、一刻も早く」 参院予算委で経産相(産経)

中川昭一経済産業相は5日午前の参院予算委員会で、北朝鮮に対する経済制裁について「拉致問題の一日も早い解決のために(改正外為法が)機能するならば、一刻も早く発動すべきではないか」と述べた。

北朝鮮側と再開で合意した日朝実務者協議との関連については「『対話と圧力』が基本姿勢だが、対話があるから圧力を待つという性格のものでは、必ずしもない。対話と圧力が両方あっていい」と指摘した。

自民党の山谷えり子氏の質問に対する答弁。(共同)

(10/05 13:14)

現役経産相の言葉というところが重いかな? 通常ならば、野党が首相・外相あたりに「経済制裁を発動する考えはおありか?」と問い、玉虫色の答えを引き出し、「閣内不一致だ」とまくし立てるところだろうが… 総選挙大勝で対北政策も強硬になればいいんだけど、どんなものなのかな?

北朝鮮の国家予算で考えると、日本単独での経済制裁も十分効果があると重村教授は語っているし、確かにそうだとは思う。ただ私には拉致被害者救出のために経済制裁が最良の方法かどうかはわからないし、おそらくは専門家も救う会の人たちも同じだと思う。家族会の方々はその危険性を承知した上で経済制裁を陳情しているようだけど、「ご家族がそういうご意見でしたら… ただ、最悪の結果になっても政府をうらまないでくださいね」と安易に経済制裁発動できるほど国の存在は軽いものじゃない。それもわかる。

結局落ち着くところは大臣の語る「対話と圧力が両方あっていい」という「ごくごく当たり前の外交」ということになるのか。こんなことがニュースになるというのが、何というか情けない話ではないか…

ただ一つ言えることは、拉致被害者さえ帰してくれれば、北朝鮮なんかには関わりたくないということだ。あとは何人餓死しようが、後継者が誰であろうが、半島で統一しようが、パチンコ屋が日本で儲けた金をいくら母国に持ち出そうが勝手にやって欲しい。あ、核開発と密入国は政府が目を光らせろ。以上。

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○○がアホやから…

村上氏、敵対的買収 阪神電鉄、防衛に着手 大和SMBCと連携(産経)

上記記事がよくまとまっていると思う。タイガースに関して書けば、「親会社がアホやから、野球がでけへん」ということですな。村上氏は「一番怖いのはタイガースファン」ということを知っているだろうから、「球団株を上場して、ファンも購入できるように」としたんだろうな。これにファンの立場から批判はできないだろう。「タイガースはファンのものじゃない。阪神電鉄のものだ」とはなかなかいえないだろうからね。まぁ野球協約上、絵に描いた餅なんだけど。

一番簡単な対抗策としては増資があるだろうけど、村上氏はTBSの大口株主になったときに、増資で対抗してきた会社に向かって、「資産があるのに、増資の必要があるのか!」と一喝したことがあるし、ニッポン放送の一件で増資の差止仮処分申請が認められたことも記憶に新しい。まぁ上記記事にあるように、村上ファンドの目的と資金の出所(篭城戦もにらみ、可能ならば兵糧切れのタイムリミットまで)を早急に把握しないといいようにやられちゃうだろうな。まぁすでにいいようにやられちゃっているんだけど(^^;。

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2005.10.05

村上ファンドが阪神電鉄筆頭株主

いわゆる村上ファンドが阪神電鉄株の所有率が38%くらいなんだとか。あれだけストップ高が続いていても買い増していたってことになるわけだ。

会社の資産が豊富なわりに安価な株を狙うのは常道。それだけの資産を持ちながら、株主配当が少なかったり、自社株買いをしていなかったりなど、「どうぞのっとってください」とばかりの裏の優良企業に「株主を何だと思ってんだ!」と鉄槌を食らわす村上氏は妙に格好よかったものだが。正論を言っていただけなんだけどね。

過去形で書いたのは、運用目的ならストップ高が続いたところである程度売りに出た方がよかったろうが、買い増ししていたというところが解せないからなのだが… 別に私はタイガースファンじゃないし、「タイガースはファンのもの」みたいなバカな考えはこれっぽっちも持ち合わせていないのだが(「タイガースはファンあってのもの」なら理解できるが)、今回の村上ファンドの動きはちょっと今までと違うんじゃないかな、と。まぁ目をつけられ、市場で買い占められるような経営をしていた阪神電鉄が一番バカなことは明らかなんだけどさ(笑)。


…と昨日ここまで書いたのだが、どうも村上氏は電鉄に対し「球団株式の上場」を求めるようで。確かに、上場によって球団の株価が上がれば電鉄は売却益で大儲けで、株主配当が上がるだろうし、電鉄自体の株価も上がるだろう。筆頭株主の同ファンドの「表向きの」理由としては、この上ないものだ。しかも、上場すればファンが一口株主になり、文字通り「タイガースはファンのもの」となるわけだ。ファンとしても拒否する理由はない。しかし電鉄側としてみれば、黒字グループ会社を市場に開放することは反対のはず。ちょっと面白くなりそうだな(^^)。


<追記>
よく考えてみりゃ、10%以上の大株主が取得後半年以内に売るには何かしらの制約があったような気がする。調べてみよう。

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