なぜ中韓にこだわるの?
ダメだ。笑いすぎて腹が痛い。
アジア、とりわけ中国との関係は、日本の外交にとって最重要の柱のひとつとなってきた。
ほう。アジアの中でも中共との関係が重要なんだそうだ。私は全然そうは思わない。以前にも書いたとおり、インドから東南アジアを抜け台湾にいたる日本のシーレーンに関わる国々との関係こそがアジアでの外交ポイントだと思っているので。中共や韓国とは観光客のやり取りくらいでいいとさえ思っている。まぁしかし、朝日がそう書いてくるくらいだから、理由の一つや二つは後に書いているんだろう。
侵略戦争の過去をどう清算するかというだけではない。体制の違いを超えて隣の大国と安定した関係を築くことは、将来の日本の安全と繁栄のために欠かせないという判断があったからにほかならない。
「将来の日本の繁栄」というのはわからないでもない。距離的に近いし人口も多いから、市場として美味しいということなんだろう。しかし「将来の日本の安全」ってなんだ? 要するに朝日は「中共様を怒らせて、戦争を仕掛けられてはたまらん。そこをうまくやるのが政府の仕事だろう?」と及び腰になっているのだろう。そりゃあ誰だって戦争に巻き込まれてはイヤだが、新聞としては少々正直すぎやしないか(爆笑)? まぁ以前のような「だから謝罪しましょう」という論調でないことが救いではあるが… なんて考えていたら…
しかし、日本政府はそうした中国の問題点を見据えたうえで、効果的な外交をしてきただろうか。残念ながら逆だったと言わざるを得ない。その根底にあるのが小泉首相の靖国神社参拝だ。
靖国神社キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
首相は「戦没者に追悼の誠をささげ、不戦を誓う」と説明する。だが、中国侵略の責めを負うA級戦犯を合祀(ごうし)した靖国神社である。参拝をやめてほしい、という中国側のたび重なる要請を聞き入れず、なお参拝に意欲を見せるという姿勢が、どれほど中国の人々の気持ちを逆なでし、「過去を反省しない日本」という印象を広げてきたか。
残念ながら、日本国内ではB級・C級戦犯はもちろんA級戦犯もすでに「罪人」ではないんだよね。なんといっても当時の国会が全会一致(共産党の唯一の衆院議員の態度は不明だが、圧倒的多数であったことは間違いないだろう)で国内法上では名誉回復させたんだから。そもそも旧社会党の議員が「戦犯は靖国にも祀られていない」と熱弁をふるったというから、右も左も関係なく名誉回復につとめたわけだ。で、後に連合国(日本では「国際連合」という名で呼ばれているもの)にもその旨を申請して、承認されているはず(これに関しては資料がみつからなかった)。よって報道機関が(しかも日本国内の)「A級戦犯」という文言をちりばめて、靖国参拝批判をするのはおかしいのだ。
ちなみに、戦犯の名誉回復決議がなされた昭和28年の支那の状況はというと… 中共の第一次五カ年計画あたりで、朝鮮戦争休戦もこの年。国共内戦によって国民党はすでに台湾に敗走。とはいえ、連合国に参加はあくまでも国民党の台湾「中華民国」。サンフランシスコ講和条約と同じ昭和27年に日華平和条約を締結しており、外交関係は復活、と。だから中共としては、「台湾はA級戦犯の名誉回復を認めたかもしれないが、我が党は認めていない」という論法なのだろうが、そもそもA級戦犯を罰した極東軍事裁判自体に中共は絡んでいないわけだが。何しろ内戦中だったもんでね(爆笑)。で、中共が内戦、朝鮮戦争、国内整備をしている間に、日本は戦犯を名誉回復していたわけだ。GJ>当時の日本人。
首相は昨年9月の国連総会で、安保理の常任理事国入りを目指す決意を表明した。だが、韓国は支持どころかはっきりと反対で動き始めた。中国ではこれが反日デモの火をつけてしまった。肝心のアジアの支持を得られないで、どういう戦略が描けるというのだろうか。
韓国と中共が反対を示しただけで、なぜ「肝心のアジアの支持を得られない」などと書くのか。連合国では「一国一票」。他のアジア各国も反対の意を表明しているのならともかく、なぜこんな表現をするのか。まさか朝日の社説氏は「人口一人当たり一票」だと思っているのか? あるいは「経済力に比例した票が割り当てられる」とか? または「この社説には書けなかったが、実は東南アジアや中央・西アジアにも反対国がゾクゾクと名乗りを上げている」とか? まさか「アジアとは中共と韓国と北朝鮮と日本だけである」とか(笑)? 読者をバカにするにもほどがある。
戦争に敗れたはずの日本が経済大国として発展し、国際社会の中で大きな存在感を持っていることに、近隣国の人々は複雑な思いを抱いている。だからこそ、謙虚な姿勢を見せることが、日本がこの地域で認められるために必要な外交のリアリズムである。
「リアリズム」などと表記しないで、素直に「現実主義」としなさいよ。そもそも「謙虚な姿勢で」我々の父祖が頑張ってきたおかげで(反共防波堤にすべく米国の後押しもあったが)、経済大国になれたことには目をつむるようですな(呆)。しかしまぁ「アジア」だったり「近隣国」だったり、中韓を示す言葉はいくらでもあるようだな…
しかし、首相には大きな国益を考えてもらいたい。靖国神社に参拝し続けることに、どのような国益がかかっているのか。譲るものを持たずに、どうして相手にだけ誠意ある対応を求めることができようか。
「譲るものを持たずに」か… 「円借款」はこれ以上ない譲歩だと私なんかは思うんですがねぇ… まだ譲らないといかんのですか? まぁ「全部譲れ」とは書いていないからまだましか。日本の元首が国難に殉じられた方々を拝むということは、この日の本の国を守るという決意の表れですわ。「日本はなくならない。なくならせるものか」。これ以上の国益なんてそうはないんじゃないの(まぁ現首相では心許ないが(^^;)?
首相はことあるごとに「世界の中の日米同盟」を強調する。だが、アジアでの足元が定まらないままでは、結局、米国の力にすがるだけの国になってしまいかねない。
ここだけは賛同できるかな? まぁ朝日の言うところの「アジア」と私のそれとは大きくかけ離れてはいるけど(笑)。
今回の社説ではっきりしているように、朝日は近隣国と仲良くすることが肝要という立場のようだ。対して、私は近隣国なぞ、観光客の交流くらいでいいと考えている立場。どうも朝日の「戦争が怖いから仲良くしよう」というのがよくわからん。同じ米軍保護下の韓国がいきなり戦争を仕掛けてくるわけはないけど(可能性としては北主導による南北統一が先でしょ)、日本企業が整備した工業施設などを接収する旨みなど、中共には日本と仲良くすればするほど戦争を仕掛ける実利は増すわけなんだが(もちろん大義名分をどうするかという大きな問題はあるが)。
近い国と進んで握手することだけが外交じゃない。当該国の回りの国と進んで握手していき、圧力をかけ、当該国が拒むのを無理矢理握手するというのもまた外交。それでいてしこりを残さないというのは外交手腕。今のところ、日本も中共も外交手腕に関しては未熟ということか。
さて、いい加減に保守も左巻きも中韓にこだわり続けるのは止めませんか? 声を上げ続けることは大切かもしれないけど、もっと大切なことは国内にも国外にもあるはずなんだが… マスコミに踊らされているだけってことに気付くべきだ。
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Comments
>あさひ素材さん
私も札幌出身なんで、「隣の国」といえばロシアです(笑)。少なくとも樺太や北方領土のロシア人は日本に好意的ですね。直に接しているからかもしれないし、松山千春の盟友のおかげかもしれないけど(^^;。コンスタンチン君の火傷の一件も結果的に追い風になったのかもしれません。何より冷戦が終わったことが大きいとは思いますが。
今のところ日露間には北方領土問題とそれに派生する漁業権問題しか争点がないわけで。他にあるとすればシベリア抑留者問題? これは相手がソ連だったし、日本が外交カードに使うことはないだろうし… そういう意味でKGB出身のプーチンにしてみれば「日本は与し易し」なんでしょうね。ただ「敵の敵は味方」ではないですが、中共の牽制のためにロシアと手を結ぶという方法もアリかもしれませんね。もっとも、日本=フジサンケイグループ、中共=ライブドア、ロシア=ソフトバンクグループという方向にいっちゃいそうで、私は反対ですが(笑)。
Posted by: RIC | 2005.04.13 11:38
ウチの会社は結構ロシアとの仕事が多いのですが、今は市民から官僚まで、案外と親日派が多い国なんですよね。プーチンさんも、少なくとも日本を嫌ってはいない。
領土問題を抱えてはいるものの、ロシアと日本との関係が、今後のアジア圏における日本外交の行方を左右するかも知れないと思っています。
まあ歴史の舞台の登場国は、今も昔も変わらんと言う事になりますね。
Posted by: あさひ素材 | 2005.04.13 10:05