ストはできるうちが華
ユーザーからここまで支持されたストも珍しい。経営者側には根来前コミッショナーの「経営事項に関わることに対する団交の結果のストは違法」という見解があるから強気になるのはわかる。しかし味方に取り入れるべきユーザーに、嫌われるように嫌われるようにしているとしか思えない言動が多すぎる。ここまでくると狙ってやっているとしか思えない(笑)。
10年前の米国大リーグのストでは「ビリオネアがミリオネアをいじめている」と、選手会への批判も多かったそうな。日本人はやっぱり職人に対する敬意があるからなのか、ン億円プレイヤーである古田に対してのエールも多い。経済的に弱い立場で、しかも法的に絶対的に有利にあるのに、末端ユーザーを味方にすることができない。そういう連中が球団経営に当たっていること自体が、そもそも「おかしい」だろ(笑)。本社の宣伝材料としか考えていない多くのオーナーに、親会社から出向してくる雇われ社長(しかも赤字会社への出向なんだから「左遷」だわな。そんな意識だったらやる気も起きないだろ)。
これに対するは職人気質のプレイヤー、か。私は選手が経営方針にまで口を出すのはいかがなものかと思うけど、そういうオーナーや球団経営者と契約しなければ喰っていけないという点に対して同情するよ。まぁ一番かわいそうなのは、野球が好きで入社した球団職員とかだけどね。球団職員の中には「俺達こそ、団交したいのに」とか考えているんではなかろうか…
で、今回の一件で問題ははっきりしたわけだ。「ドル箱の巨人戦のテレビ中継契約料がパ・リーグに一銭も入らない(コミッショナーがオーナーを律する立場にない)」「オーナーにも球団代表にも独立採算で黒字にできるような経営ビジョンがない」と大きく分けるとこの二つでしょ? 中でも大きいのは後者、と。で、巨人戦の恩恵に与れないパ・リーグの中にあって、年間予想赤字額が最も少ないダイエーと日本ハムを考えれば、ある程度の打開策は見えてきそうなものだがね。プロレスだって、細々とではあるけど、みちのくプロレスが10年保っているわけだから。
Jリーグがまだブームだった頃、知人の野球ファンに職場のサッカーファンが「地域に根ざした球団経営」の素晴らしさを自慢げに話したそうで、その野球ファンは私に「そんなモノはプロ野球はとうの昔に実現している」と怒っていたけど、少なくともパ・リーグではそんなことはなかったんじゃないかな、と今になって思ったりして。
と、まぁ、真面目に書いてしまったけど、真っ先に思ったのは「どっかのプロレス団体が、このストをアングルに使わないかな」と(笑)。ストなんてできるうちが華でね。プロレス団体でストなんて、絶対に起こりえないからねぇ…
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